雑草を踏みにじるような足跡

「何か叶ったことってあったっけ」
NO.
何も叶わないのは世界が狂っているからだ。
誰がこんな世界を戻すんだ?
錆色の部屋を抜け出して月明かりを避ける。
もう飽きてしまったこと。
元通りが分からなかったら壊すのか?
きっと元から狂っていたに決まっている世界。
自由と不可視のせいにして。
拳銃を撃ち抜くような匂いと染みが胸に残ってる。
それだけがあったから、僕は生きてるはずだった。
もう不幸だけが欲しい。
僕という病。
僕にはなにもないんだ。
最初からなかったかもしれない。
未来を国語辞典で調べても、なにかが見えてくることはないって話。
ごく簡単に人は死なないけど、ごくありふれて人は死ぬなんて矛盾してる。
死にたい理由はいくらでも増えるけど、生きてる意味は最初からあるわけない。
いつも夢みたいに漂ってる。
人という病。
時計の針が時を流しているわけじゃない。
思春期特有の歪みのように、いつもより多い二酸化炭素を吐き出す。
そして何が変わった?
「なあ、約束は守ったのになあ…」
嘘で出来たマイナス思考が脆いガラスの盾を作る。形だけ。
映画のワンシーンみたいな言葉は剥がれなくて、どうして感情が剥がれてしまう。
所詮人間なんて渡り合うものだろ?
濡れた砂。
結局傷つくことが怖いだけ。
笑顔と自分を守る服たちだけを見繕う。
すべてがテープで繋げただけの残骸。
きっとどこにも続かない。
C U