死に場所にならない海の残骸を、僕は片肺で飛んだんだ

覇気のない空が捩切れてる。
四方八方が塞がってる。

空っぽの部屋で蹲る。
自分のせいだと思っている。

思想は丈夫じゃなくなってゆく。
模倣は上手じゃなくたって佳い。

足元は薄氷のように壊れている。
溢れ出る吐き気と血を堪えている。

仔猫の親が幼稚な玩具を取り上げる。
レジスタンス市民は一様に口を噤む。

上唇が危険分子を産み落とす。
残滓はくたびれたままで居る。

ビル街がいびつな暗雲を突き刺してゆく。
パイプラインの先の空気を読めなくて佳い。

涙のような海が街を呑む。
がらくたの死骸が残っている。

夜がごまかしてくれると願っている。
実際どうなのかまで考えるわけがない。

命を喜ぶ人間なんか滅んでしまえば佳い。
僕が当の人間だって知ったこっちゃない。
あなたが日本人形だってことを忘れている。
あなたが日本人形だってことを忘れている。
夢も車椅子も望むわけがないことを忘れている。
だから僕はあなたを想っている。
だから僕はあなたを想っている。
だから僕は埋葬されることを忘れている。