楽園崩壊
僕は君を知っているつもりで君を誘うけれど、君は僕を知っているふりをして僕に何もしない。
《Ans.私はあなたを愛していないのです。》
そんなのあり。
ありもなしもないのです。
この世では驚くほど悲しい出来事が突然のように起こり、涙なんか出ないからそれは当然のことなのです。
当然のことだから傷痕を右手で隠して僕は笑い、判然としないから貴女を左手で引き寄せて僕は笑う。
しばらく続くように思われた安心がたった一言で、たった一日で壊れてしまうことだってある。
いつか貴女は僕を忘れてしまうから僕は貴女を放せない。
僕は貴女を放せない。
僕は貴女を放せない。
僕に触っていて。
それだけで佳い。