2008-05-23 欠落者 僕は右耳がよく聴こえない だから何かの儀式のように 貴女の電話は左耳に当ててんだ ねえ、貴女の右側は空けておいてよ 僕は右手がうまく動かない だから何かの誓いのように 貴女の身体は左手で撫でてんだ ねえ、貴女の左側は空けておいてよ 僕はうまく呼吸ができない だって何かの病気のように いつだって貴女を愛してんだ ねえ、貴女の両腕は空けておいてよ 見つめあったまま停滞する僕ら 俯いて泣き出す貴女 見つけられない世界を想って そっと笑う。 「ねえ、明日はきっと神秘的なセックスが出来るね?」