不自由

見えない右眼を引きずり出して、
酸素を奪い合うように息苦しい。

ヒトらしく藍色の涙を零して、
囚人が働くように嘆かわしい。

声にならない僕らの悲鳴。
いなくなった。

誰にも愛されていたいから僕は泣くけれど、
誰にも愛されていないから僕は笑う。

理解してしまったら終わる、
角砂糖のように脆いせかい。
ひとつ消えた。

今日も寝違えた僕の首を掴んで、
必要のなかった過去を絞め殺す。
僕のいないせかいなど、壊れてしまえばいいのに。