2008-05-22 不自由 見えない右眼を引きずり出して、 酸素を奪い合うように息苦しい。ヒトらしく藍色の涙を零して、 囚人が働くように嘆かわしい。声にならない僕らの悲鳴。 いなくなった。誰にも愛されていたいから僕は泣くけれど、 誰にも愛されていないから僕は笑う。理解してしまったら終わる、 角砂糖のように脆いせかい。 ひとつ消えた。今日も寝違えた僕の首を掴んで、 必要のなかった過去を絞め殺す。 僕のいないせかいなど、壊れてしまえばいいのに。